代配ちゃん物語 #2 茉莉花が上京したわけ【新連載】

茉莉花はこの春、東北の女子高を卒業し大学に進学するために東京にやってきた。

実家はりんご農家である…とはいえそこまで規模の大きい農家ではなく、栽培したりんごの収穫に、国の補助金でどうにか一家6人家族が食いつなげるかどうかの収入で生活をしている

当然ではあるが、東京に出て大学の学費、住まいの家賃、食費など仕送りをやれるほどの経済的な余裕は到底あるわけもなく、どうしても東京の大学に進学したかった茉莉花は新聞奨学制度という、自力で大学に行くには王道中の王道の制度を利用して大学に行くことを決意して上京したのだった。

今でこそ労基が整い、あからさまなブラックな労働を強いる販売店はないが、それでも思春期の乙女が新聞配達という大の男ですら肉体的に重労働であるものをこなす一方で、学問も両立させるというのはやってみたものにしか理解できないそれは想像をはるかに超える人生の引導とも呼べるものなのである。

そんな茉莉花が上京し初めて職場に入店した時のこと…初々しい気持ちで上京した茉莉花に絶対に忘れることのできない悪夢が…それが今でもトラウマとなり茉莉花を不穏な気持ちにさせる出来事があった…