代配ちゃん物語 #4 焼き肉のいざないからの【新連載】

もともと茉莉花は、他人に対してあまり偏見がないが故にとても社交的で人に対して壁を作らない性格であった。それもあってか、いまの販売店に配属され業務のイロハを教えることになった主任の徳俵に妙な好感と誤解を与えてしまったきらいはあった。

誰にでも愛着を抱き、絵に書いたような笑顔で接するその茉莉花の魅力がここで逆に仇となったのだ。

初めて徳俵の勘違いが行動に現れたのは、茉莉花のや配達する区域の順路取りが思いのほか押してしまい、夕方には終わるはずが20時くらいになってしまった時だった。

はじめこそは徳俵の方も妙な気持ちありきであったわけではない…しかしごらんの通り茉莉花のキャラクターというのは絡む者絡む者を、和紙が水の雫を飲み込むように吸収するかの如く人を魅了する一種の才能に近いものがあったからに他ならない。

「茉莉花ちゃん順路取り遅くなっちゃったし部屋に戻っても夜ご飯ないだろ? 近くの焼肉屋でご飯でも食べていかないかい?」はじめのきっかけはそんな徳俵の一言からだった。