臨配くん物語 #101 順路を取り終えてはじめての夕刊【第2章 大輔、臨配やるってよ】

夕刊前の順路取りの小休止で、ジャンカルロから大輔を無視した3人の販売店での立場や、なぜ新人をいびるのか、またそこに至る業界の実情という背景を聴き、これから生活を立て直し臨配として日本一を目指そうと決心していた大輔の心意気に深い影を落とし暗雲が立ち込めることになった。

それでも大輔は、気丈に気分を入れ替え残りの1/3の順路を取り切り終えた。大輔の担当する区域というのは部数は多いものの諸紙はあまりなく殆どが平場で後半の最後に公営の団地がちょろっとあるような区域だった。

早速、大輔は夕刊前に空回りと呼ばれる、配達時ではないときに下見をかねて担当する区域を一回りする業務にでようと準備をしていた…が大輔は以前、小竹に新しい区域を一発で配達するテクニック…いわゆる一発順路に関しての技を教えてもらったことを思い出した。

それは…夕刊時に朝刊の順路で順路を確認しながら夕刊を配達するというウルトラCのテクニックであった。これは朝刊の分量…しかも初めて回る区域を確認しながら夕刊を配達するので、不慣れだと確認は愚か夕刊の配達が大幅に遅れてしまうので、臨配の中でも相当の手練でないと使えない技であると小竹から聴いていた。

それでも大輔は、その志の高さからその技に挑戦してみようと決め、バイクの前カゴに夕刊を積んで、先程取り終えたばかりの順路帳を手にして少し早めに販売店を出発したのだった。