臨配くん物語 #98 かなりの曲者【第2章 大輔、臨配やるってよ】

新しい販売店での門出を…あいさつをしたのを無視されてしまい相当落ち込んでいた大輔。そこへもうひとりの専業である40前半くらいのジャンカルロさんが大輔の肩を叩いて声をかけた。

「ああ!あの3人ね…大輔くんまったく気にすることはないよ!詳しくは後で話するけど…とりあえず今日の夕方から夕刊を配るために順路を取りにいこう!順路帳はこれ…それから〜順路記号は読めるよね?」

専業のジャンカルロさんは気丈に明るく振舞い、落ち込みがちだった大輔の気分を紛らわすように背中を押して順路取りへと店を出るように押し進めた。

「はい!順路記号読めます!一軒目が新しい区域の目印でありヘソななのでそこだけは絶対に気を抜かずに身体で覚えます!」大輔は気持ちを切り替えて自分のやる気をジャンカルロさんに伝えた。

やがて順路を取り始め、1件目もしっかり販売店からの経路を確認して順路の2/3も終わろうとする頃、ジャンカルロさんは大輔に休憩を提案した。この業界では先輩や順路を付ける人が缶コーヒーを奢ることで杯を交わすような半ば風習みたいなものがあり、その缶コーヒーを飲みながら談笑するなかで互いに認め合うみたいなきらいがある。

「大輔くん…さっきの無視した専業連中の件だけど…あいつら相当の曲者だからなにがあっても言い返したり、話し合おうとしたらだめだよ…」ジャンカルロさんは唐突にシリアスな口調で大輔に釘を刺した。

「く、く、く、く、曲者ってどんな曲者なんすか!!!!」大輔はいまだ癒えぬさっきの冷たいあしらいからかかなりの動揺をしてジャンカルロさんに聞き返していた。」