代配ちゃん物語 #25 九死に一生を得る【新連載】

不意に小路地を曲がった時に警察官に声かけられた徳俵だったが、付近であった通報に関する聞き込みで出動であったと判明し、ガクガクと震えていた膝も落ち着きつつあった。

いま、このタイミングでは絶対に飲酒で捕まるわけにはいかない…それは茉莉花にも飲酒をさせていたという意味合いもあれば、この積んでいる新聞だけは配りきらないと洒落にならない…そういった事情を踏まえてだ。

ほとぼりも覚めふと荷台に目をやると…もう5時にもなろうというのにまだ250部ほど残っていることに気がついた徳俵は我に返り、また脱いでいた軍手を再度、装着して爆速の配達を再開するためエンジンを掛け、缶コーヒーを1本ガブのみして…

「今度こそノーメルや歩道走行などは…今日だけは絶対にやめとこう…」そうふんどしを締め直して残りの配達にむけ走り出した。

5時にもなると暗かった空はすっかり明るくなり、犬の散歩やジョギングを始める人たちもちらほら外に出始め、いよいよ時間指定のお客さんのことも気になり始める時間帯になる…残りが多いとなんとも言えぬ罪悪感と焦燥感がでてくる時間帯なのだ…