代配ちゃん物語 #26 不安定な停め方【新連載】

ただでさえ時間が押している中に、警察官に止められて心をすり減らすというハプニングが重なった…時はすでに6時30分を回り、徳俵のスマホには遅配の連絡が数件入ってる旨の同僚からのLINEがきている。

荷台にはまだ150部ほどの新聞が残っているので小一時間はかかるのは自明であった…徳俵の焦りは最高潮に達していた…普通に臨配がとび、その穴埋めで遅配したということであれば、なにも遅配の原因が徳俵にあるわけではないのだが、今回の場合は、徳俵には後ろめたさ…泥酔してしまった状態での配達であるという事実が徳俵をコーナーに追い詰めているように焦らせていた。

徳俵は、バイクを猛獣使いが動物を操るがごとく乗り回し、雑技団が自転車を自分の身体の一部のように捌くように乗りこなし新聞をポストにねじ込んでいく。

経験者にはわかると想うが、新聞を配っていて調子がのってくると信じられないくらいのテンションとスピードで曲芸のようにさばいていける一瞬がある…そんな調子でテンポよく残りの新聞を減らしていったそのときだった…本来ならば下り坂でバイクを停めるときはバイクの頭を坂上に転回させて停めるのだが(頭が坂下へ向いていると自然に頭が向いている方へバイクが進み倒れてしまう)急いでいた徳俵はそのまま転回させずに大丈夫だろうという目算で停めてしまった…そして