臨配くん物語 #115 シーラカンス【第2章 大輔、臨配やるってよ】

専業が眼の前で取っ組み合いの喧嘩をしていた…大輔はそんな光景はいままで幾度となく目の当たりにしてきた。得てしてきっかけは言葉遣いがどうであるとか、チラシ組み込むゾーンがどうだとかほんとに犬も食わないような些細なものなのだが、まさか本当にその些細なことが原因であるはずはない。

不規則な時間帯での労働、人の出入りが多いがゆえのコミニュケーション不足、ギリギリの給与なので健康的にストレスを発散させる方法の欠如…

これら複数の要因がかさなり専業という仕事は常時24時間!慢性的なストレス状態であること!いま目の前の二人の間にもなにか根深い、深海にいるシーラカンスのみ知り得るような深い深い理由があることは大輔も重々承知しながら二人の言い分を静観し、聴取していた。

もし月の休みがもう一日あったら…もし人の出入りによる負担が少しでもすくなかったら…もし給与がもう少しだけ多かったら…こういった目に見えない要素、要因を見つけ出し嗅ぎ出してその目を摘んでおくことができていると販売店の中にはなにか有線のヒーリング・ミュージックでもかけているようなどこか優雅な、ストレスのない環境をつくれる。そこに投資できている販売店とできていない販売店というのは一目瞭然であることをいろんな販売店を見ている臨配・代配というのは知っていたりする…

そして大輔はこのあと…もう一つの重大な二人の間の軋轢について知ることになった…