臨配くん物語 #116 恋敵【第2章 大輔、臨配やるってよ】

チラシを叩く台のスペースの取り合いから始まった二人の専業、木鈴と田本のいがみ合い…どうやら話を聞いていくうちにそんな表面的なものではないもっと根深い遺恨に近いものがあるという。二人を横目に大輔に話しかけてきた店長がそう話した。

「そもそもあの二人は…大輔君!事務員の女性…陽子さんているだろ…実はあの二人、ふたりとも陽子さんのことが好きで互いに競い合ってるんだよ…」

「ええーーーー」大輔はその意外すぎるその裏の理由をきいて心底たまげてしまい、いま目の前で取っ組みあっている二人にさえ聞こえてしまいそうな大きな声で叫んでしまった。

「よ、よ、陽子さんて…あの主婦で中年の方…ですよね?」大輔は思わず確認してしまった。

「そうなんだよ…あの陽子さん…家庭があるのだけど、わざわざ自分から円満でないと周りに知れるように言いふらして…というのも彼女は自分が販売店のアイドル扱いされていることに酔いしれてて…それでわざと気をもたせる素振りばかりするんだ…」店長はそう話した。

家族持ちの中年女性を取り合わないと行けないくらい出会いのない新聞販売店業界…その闇についてまだまだ大輔は思慮を深めていた…