代配ちゃん物語 #60 ショック【新連載】

茉莉花にとってそれは阿鼻叫喚な想いであった。もちろん新聞を手に掛けた瞬間もまだその新聞を持ち去ったわけでなく、袖さんと同じく折り直しをしてくれるかもしれないわけで新聞抜き去りの犯人と断定できるものではない。

ただ、その瞬間ばかりは犯人が玲でないことを祈らんばかりの気持ちであった。

暴発しそうな心臓の鼓動が、玲に聞こえてしまうのではないかというくらいバクバクさせながらその後を見守っていた茉莉花…しかしながら茉莉花の願い虚しく、玲はそのまま新聞を抜き去り自分のカブの前カゴにいれ商店街を逃げるように出ていった。

茉莉花はしばらく何が起きたのかまったく理解できず、ただ呆然とその場に立ち尽くした。