夏も終わりかけた頃
肌寒くなり始める夕方、シミだらけの畳の部屋で僕は吉野家の牛丼を頬張りかきこんでいた。
僕は昨日、横浜の藤棚というところに社員として赴任してきた。名前は大輔、年齢は23歳。実は20歳の頃、専業としてこの業界に飛び込んだ。
その販売店に80近い臨時で配達にくるおじいちゃんがいた。そののちにそのおじいちゃんが臨配であるとわかった。
僕はいつも、夕刊の配達が終わるとすぐにご飯を食べる間もなく営業集金にいくのだが、そのおじいちゃんは夕刊が終わるとすぐに自分の部屋に帰っていた。
ある日、僕はそのおじいちゃんに「おじいちゃんは、楽でいいね!いつも夕刊が終わったらゆっくり寝れるじゃん!」と話しかけたその時、おじいちゃんは顔を真っ赤にして、青筋たてて僕に罵声をなげかけ怒鳴り上げた。
おい!小僧!!
僕は怒鳴られた怖さもあったが、それより怒鳴られているところを周りの専業さんに聞かれることが恥ずかしくて一瞬にしてブルーな気持ちになってしまった。
