
土壇場で臨配のおじいちゃんの言葉が走馬灯のように蘇ってきた大輔。自分はこの仕事にホコリをもちしっかりとした人間関係を構築してしっかりと販売店に貢献する。ここに来る前にそう誓いをたてた手前、こんなところでお色気に負けているわけにはいかない。
大輔は男であるがゆえの一番の誘惑であるお色気に打ち勝ち、そのお姉さんの色香を振り切りそのお宅から飛び出した。
お姉さんの肩を少し強めに押し返すとドアを足の膝で押し開け飛び出すようにカブのおいてある一家にへと階段を転がるように降りていった。
なかなかエンジンが掛からないカブを坂道の傾斜をつかって押しがけして一目散に販売店へと急いだ…そのころあたりはすっかり暗闇に包まれていた。
