
大輔を誘惑の渦中に追い詰めた集金での綺麗なお姉さん事件より、時は過ぎ去りまた季節はめくって皆が集金に精をだしていた。
通常、新聞屋さんの集金というのは、月末になると半分に切り取れる発証されたチケットが渡され半分をお客さんに領収書として渡し、もう半分はお店のコンピューターに読み込ませて集金した分をお店に入金するという仕組みになっている。
月末までに80%、月があけて5日までに90%を達成せねば手当がつかないどころか、仕事ができないという烙印を押されてしまう。
そんななか、集金のお金を使い込んでしまうものも多く、抜き打ちで発証チェックといってコンピューターで完了した額面の証券と、手持ちで残った証券の照らし合わせをすることがある。
そんなある日、大輔のお店で抜き打ちで証券チェックをしていると、管理職の小竹が額いっぱいに脂汗をかいて手を尋常じゃないくらいに震わせてブツブツとなにか言っている…
「ヤバイ…ヤバイ…ギギギ…」
大輔は何がヤバイのかこの時は知るよしもなかった。。
