大輔の目に飛び込んできたパーカー。大輔は多鶴子と甘いひとときを過ごしてることも忘れ、なぜか引っかかったそのパーカーの存在を思い出せずにいた。
大輔はおもむろに立ち上がりパーカーを手に取り凝視した。その瞬間に多鶴子のぎこちなさはMAXになり多鶴子はいてもたってもいられなくなったのか、飲み終えたスムージーをかたす名目で手にとってキッチンの方へかけこむようにしていってしまった。
大輔はそのパーカーの背面にあるあるロゴに注目した。【◯◯臨配センター】ある臨配団の名前がそこには記されていた。そのときだった…大輔の中である記憶とそのパーカーが完全にリンクした。
「あ!このパーカーは確か…新しくきた臨配の山口が土砂降りの朝刊のあとに着替えていたパーカー…臨配団のユニホームだったのか…」大輔は誰もいなくなったリビングで思い出せた喜びでたまらず一人で声に出していた。