
負債から一転!15万の換金に成功した小竹…ウハウハで浮かれ地に足がついていない小竹をこの時の多鶴子が見逃すはずがない。そもそも多鶴子は自分の勤めるスナックの常連にするべく小竹に金を貸し付けたのだ。大勝ちし貸した金も即座に戻ってきて、さらに大枚握ってる小竹を間髪入れずに飲みに誘った。
浮かれてる小竹も美人に金を借りておいて、大勝ちして礼の一つもできないまでには男の意地を捨ててはなく、ついに多鶴子の勤めるスナックへ向けてタクシーを走らせるのだった。
いま思えばこれが地獄への暴走特急であったなど知る由もなく…
「いらっしゃ〜い♡」中には年増、年の頃にして50ほどのママと30代のベテランが2名、あと女子大生のバイトが2名で多鶴子あわせて6名ほどのキャストで切り盛りするお店だった。
スナックという割には店内は、スクリーンを基調としてMTVの最新トップチャートが映し出されておりBGMもそれを流してるようなどこかキャバクラ的なお店でもあった。女の子の給与も普通のスナックとは違い、売上の50%というインセンティブメインだというから女の子も血眼になってお金を使わせようとしてくるはずだ。
「あら!多鶴子ちゃん!新しいお客さん?」ママらしき女が多鶴子に話した…
「ええ…まあ…」「小竹さんボトル入れてもいいかしら♡」多鶴子の視線の先には飲みきりのあの高級キャンパンがロックオンされていた。
「おおー!今日はなんでもこいだ!」小竹はまたまた虚勢を張った。