
集金カバンから10万ばかりの現金を残して全て散財してしまった小竹。そもそもこの元凶なストーリーに引きずり込んだ多鶴子本人はどんな面で一連の経緯を見ていたのか
我に返り、ふと怒りの矛先を多鶴子に向けるべく目で追いかけるよう辺りを見回し多鶴子を探す小竹。
「おい!このスケ野郎!」スナックの女の子たちが散った店の前で意外にもことの顛末を気の毒そうに見つめていた多鶴子
「小竹さん…実はわたし…」ワナワナとしながら両手を口に当ててやりすぎてしまったことを悔いている多鶴子がそこにいた。
「正直いうと、たしかに小竹さんをわたしのスナックでのお客さんにしようとしたのはたしかなの…ただここまでたくさんのお金を払わせようとは思ってなくて…ここまでのひどいストーリーはママが絵に描いたものなのよ!」
ここまで散々、小竹を蜘蛛の巣に引きずり込んだ張本人の多鶴子…またここでも一芝居打っているかもしれない。小竹のふざけんなといった表情がほんのすこしだけ緩んだ気がした。
「正直、400000ものお金を一括で払わせるほどわたし鬼じゃないわ!」多鶴子は本当に小竹に情けを感じてる仕草にも見えた。
「よかったらこの後、朝までやってる赤提灯があるの!そこで始発まで飲まない?…あっ!疑わなくて大丈夫、今度はわたしがお金払うわ」
流石の小悪魔 多鶴子も今回ばかりは申し訳なく感じたのかそう小竹を誘おうとしてきた。