
「この仕事で一番やってはいけないことはなんだかわかるかい!?」スネ夫はことの経緯を唖然と見つめていた大輔に不意に振った。
「ははははは、はい!!…新聞が配られないことです!」
「こくん!」スネ夫は何も言わずにそっと首を縦に振った。
スネ夫はもともとはとても穏やかで温厚で面倒見のいいリーダーである…その本当の人柄を噛み殺してる素振りが大輔には痛いほど感じ取れた…がときに非情にならねば後々、もっと非情な結果として返ってくるのもまた人の常。
「ということだ…脇関くん!悪いが君はうちでは使えないよ。他の団をあたりたまえ!」
脇関はすぐに諦めがつかなかったのか、少し不貞腐れた態度でブツクサと言っている。脇関はやがてラチがあかないと悟ったのか、座っていた椅子を力任せに蹴飛ばして…
「お前みたいな高飛車なやつが仕切る団でなんか仕事するかいや!…そもそもな〜他にも候補の団があったけど面接に来るのに一番近かったから来てやったらこのざまだ!」…と捨て台詞を吐き、その喫茶店から飛び出していった。