
臨配として身につけるべき技術や技を一日でも早く身につけたいという志の高さゆえ、初めて赴任した販売店での初めての順路取りのあとの初めての夕刊配達のて…翌朝の朝刊の順路を確認→空回りを兼ねるために出発した大輔。
しかし、これが大問題を引き起こすこととなった。
担当する区域の序盤というのは新興の住宅地で軒並み新聞が入っており、また新築が多く表札がない家自体がほぼなかったので、順路取りはじめの集中力と記憶の鮮明さでスイスイと朝刊の順路を空回りしながらの夕刊配達は上手く進んだ。
しかし…
大輔は順路取り自体、お世話にも慣れているとは言えず一箇所順路を付け間違えた時のリカバリーなり、間違えどころに気がつくセンスなり、その部分はやはりまだまだであり、経験者ならわかるであろうどこで間違えたのかに気が付かずにどんどん迷宮入りするあの恐ろしい罠にはまってしまったのだ。
大輔はふと時計に目をやると…すでに17時…夕刊はほぼ2/3も余っていた。その時!販売店からの番号で大輔のスマホに着信があった。
