突然の眠気に襲われ不意にも眠りに落ちた茉莉花…
意識がまばらなときにキッチンへと水を取りにいった徳俵もしばらくは戻ってこず、居間でコンコンと眠りの世界に入ってしまっていた。
やがて20分ほど経過したときであろうか…若さゆえの反射神経というのだろうか、落ちるように眠ってしまうくらい強い睡魔ではあったが、妙な気配を目前に感じ跳びはねるようにして起き上がった茉莉花…
そこにはさっきまで会話をし、眠気を訴えたときにキッチンに水を取りにいってくれたはずの徳俵の顔が、茉莉花の唇からわずか10cmほどのところにあった…
「うわぁぁぁぁぁ!!!」茉莉花は寝ぼけていたせいもあり驚き眼とともに後ろにのけぞり返りながら叫び声を上げた…このとき茉莉花は自分の身に何が起きているのか全く理解できず、自分が寝てしまってたったいま異常を感じたことだけしっかりと分かるような状態だった。
茉莉花が意識を取り戻し、跳びはねるように起きる様子をみてそれ以上に慌てふためき動揺している様子の男がいた…徳俵だ。この徳俵の異常に動揺している様子を見たときに初めて茉莉花は
「あれ…!? もしかして…??!!」とある疑念について考え始めた…このとき徳俵の動揺が最高潮に達していたのを茉莉花は見逃さなかった。