
二人の専業、木鈴と田本がいがみ合う真の理由…それは事務員である陽子さんを取り合う恋敵であるという部分が核心であるとわかり始めた大輔。
とはいっても、家庭持ちの中年女性をわざに恋心を燃やす対象にする縁たるものがなぜあるのか大輔には不思議でならずふと隣にいる店長に尋ねた。
「あの~店長…専業さんは販売店の外では恋愛はしたりしないんですか?やはり職場内が多いのでしょうか?」
「大輔…この仕事は時間に追われて、お金に追われてどっか所以のない遠くの恋心をキャッチできる余裕なんて到底ない…またはっきりいうとそれらがあっても…なかなか見染めてもらいづらいというのもある…だから近くの事務員さんや、行きつけのスナックの女の子にハマり、散財し、またお金に追われるという悪循環にハマってしまうのさ…」
社会の歯車となりいつのまにかもみくちゃにされてしまうその負の連鎖の仕組みを改めて聞き、大輔はなんというか気の毒さ混じった哀れなブルーさに苛まれるのだった…
