
ドアを開けるとき、閉めて出たはずのドアが開錠したときに再度ロックがかかっていた。
徳俵はその時こそ違和感を感じたが、部屋の中には昨晩から一緒に飲んでいた茉莉花が寝ていることを妄想するとそんな現状すら頭に止まらぬ事柄となっていた。
「ガチャ…ガチャガチャ…茉莉花!」今度こそロックを開けフライング気味に部屋へ繋がるドアを開き、茉莉花の名前を呼びながら中に入った徳俵…部屋は昨晩の祭の様相とは一転…小綺麗に整頓され、使ったコップは洗われて拭きあげられおり、食べ散らかした缶チューハイの空き缶やスナック菓子もしっかり並べてテーブルに置かれていた。
昨晩の祭りが嘘だったかのように閑古鳥が鳴いていた。
テーブルの隅に封がされた1通の置き手紙が目に入った徳俵はそれを手に取りビリビリと封筒を破いた。
