
部屋には1通の置き手紙しかなかった…肝心の彼女の姿はなく徳俵と茉莉花は同じ職場の同僚でありながら妙な展開となり後味の悪いものだけが残る形となってしまった。
部屋に茉莉花がいるだろうと考えることだけが、踏んだり蹴ったりの惨憺たる朝刊での出来事を払拭する手立てだったのだが…それが崩れ去ってしまった徳俵にはもう不貞腐れて寝腐ることでしかメンタルの回復を図れない状態であった。
知らぬ間に昏睡していた徳俵…がしかし時間にして昼前頃であったろうか徳俵のスマホが鳴り出す…しかしながら疲労困憊の徳俵はその呼び出し音で目覚めるわけもなくその眠りは夕刊前の2時位まで続いた。
夕刊のためにいつも2時10分前に起きる徳俵は寝ぼけ眼で自分のスマホを見て驚愕した…「不在着信 19件」