
もうこれ以上は配達を中断するわけにはいかない!見張りにつき相当の時間が経過したが一向に現れない犯人にしびれをきらしてカブに向かおうとしたときだった…商店街の入口の方から、アーケード内をいい感じのやまびこにしてカブのエンジン音を反響させて一人の人物がこちらにヘッドライトを向けて向かってきた。
背格好を見るにそこまでガタイがいいわけでなく近づくまでは小柄な男という印象でいた…が次第に近づくにつれそれは男ではなく女ではないかというくらい小柄であることが判明した。
そして完全に顔が認識できる距離まできた時、茉莉花は思わず腹の底からの悲鳴を抑えきれず仰天してしまった…それはここにいるはずのないあの人だった…