
それは7:00時に終えた佐藤に対して、老人であるベテラン臨配の小浜が5:30にタイムカードを打っていたことを知ることで始まった。
この事実を知った若手臨配の佐藤は、この時間差は同じ程度の区域であったら絶対にありえない時間差である…まして体力がある自分だったら自分のが早いはず…ここまでの時間の差は区域の重さが全く違うからに違いない!
そう疑念を抱いた佐藤は、その怒りのベクトルを事務所にいる店長へと足を向けることで消化しようとした。
「店長!」佐藤は冷静ではないのがモロわかるような口調で事務所にデンと座る店長を呼びかけた。
「なんで俺が7:00までかかって、あのジジイ臨配が5:30に終わるんだよ!…明らかに区域の重さが違うからで不公平にも程がある!」佐藤の怒号がオフィスに木霊した。