
朝刊が終わる時間が自分と一時間半も違う…それは区域の重さが違うからで不公平ではないか…若手臨配の佐藤は事務所にいる店長に怒鳴り込んだ。
「朝刊終わる時間がこんなに違うのはそもそも他の区域をくっつけてるからではないのか!?」佐藤は歳にして自分よりも歳下に見えた店長に罵声を浴びせた。
「佐藤くん、ベテラン臨配の小浜さんはね…いつも贔屓にしている拡張団から臨配としてきている人なんだよ。」
「しかもね…小浜さんの日当は佐藤くんよりも3000円も安くて団への手数料も安いんだ…」
販売店によっては団との癒着ともいうか、普段からの付き合い方次第ではあてがわれる区域も違ってきて、より普段遣いしやすいような区域の担当になりやすいんだとうことをこのとき佐藤は痛感した…