
「店長…自分…上がります!」突然の小浜の上がる宣言に面を食らってしまった店長は返す刀で小浜に問いかけた。
「小浜くん!君の区域ほど楽で恵まれてるはずなのにいきなり上がるとはどうゆうことなの?」店長はやっと区域の穴が埋まり落ち着きはじめた配達事情にまた亀裂がはいると懸念したような面持ちで小浜に詰め寄った。
「店長…上がるには上がるんですよ…ですけどね…」小浜はことの核、狙いのポイントを誰にも聞かれぬように更に店長の近くに身を寄せ耳打ち際で、小浜が考えている真の狙いについてコソコソ話をしはじめた。
うんうんとうなずく店長は、みるみると悪人面になっていき小浜のその悪どい企みに取り憑かれたように聞き入っていた。コソコソ話が終わる頃にはすっかり二人の間にはある偽装工作の共犯としての同意がなされているも同然な様子だった。