
あまりにも遅い寮への帰宅に業を煮やし、Lilyにどこへ誰といっていたのかを問尋ねた大輔。
ある女性に想いを寄せている男が、その対象にやや粘着気味に行動を監視する傾向というのは日常にもある割合はあって、このときの大輔の行動もややそれに似ているものがあった。
ベトナム女性は、一途でわりと男性に尽くす文化である…Lilyからしたらそんな心配されることすらびっくりして、大輔から信用されていないのではないかという想いすら抱くようだった。
「そんなにベトナムの男が良ければ、その男と付き合ったらいいじゃん!」大輔の余計な一言が朝刊前の作業場に鳴り響いた。
この一言がきっかけとなりLilyの心には大輔への気持ちに対する大きな溝を作り二人の間には修復困難な沈黙が生まれてしまった…