
日当の精算を受け取り、一週間の労が労われる瞬間をウホウホ顔でいた佐藤。すると普段、まったく連絡のない団長からの着信があった…
「佐藤くん?」団長の声がイヤホンの濁った音で微かに聞こえてきた。
「はい…佐藤です…」
「実はね…佐藤くんその店に入ってまだ1ヶ月ほどなんだけど…上がりだ…」
この店に入る前、この販売店は慢性的な人員不足で長くなることを覚悟するように言われて入店していたので、まさか1ヶ月で上がるなんてとても不自然過ぎて腑に落ちない佐藤だった。
その瞬間…佐藤の中である仮説が浮上した…疑うべきはこの不自然な上がりは店長による罠なのではないかという説を疑う以外、佐藤には何一つ心当たりがないことだったのだ…