
田岡のこの業界に対する後ろ向きでネガティブな姿勢に聞きながら嫌気が指し始めた佐藤。
正直、このオフィスに来る前まで仕事があれば田岡のところから手配を受けることも考えていたのだが、この団長のもとで働くなんて御免被るという気持ちになっていった。一人の団長の空虚なモチベーションがまた一人の臨配を台無しにさせたといえた。
幸い、佐藤はまだ年齢が若く他業種に転職しても引く手数多…住居も有るのでこれを期に臨配家業を卒業しようとも考えた。
佐藤は軽く礼をいうと田岡の事務所のドアを開けて街を一望できる丘へ決別の決意をするために向かった…