
席に通され間髪いれずに理事はかぶり気味に新聞奨学生の労働実態について茉莉花に語りはじめた。
よほど、腹に据えたものが無い限りはここまで熱く感情的に語るはずはないと想う茉莉花はその熱量が逆に怖く身構え、覚悟をもって斜めに構え話を聴いた。
「まず…就労前の契約の前に見せられる案内やパンフレットに書いてることですが…残念ながらあの約束が守られている販売店なんて…ほぼ皆無です…」一通り話をした最後に理事はそう付け加えた。
どこか諦めがちな態度から、いかに就労させてしまってからは労基が杜撰になっているかが容易に想像できた。
理事の話は続く…